J1第4節 川崎F vs 清水 (等々力)

のっけから恐縮だけど、個人的に13時キックオフの試合は好きだ。太陽の日差しもまだ強くはなく、まだ起きてから数時間なので、気持ち的にも体力的にも充実しまくっている。
朝酒をかっ喰らうみたいで、何だか世間に申し訳ない多幸感を感じながら、大好きなサッカーを見ることができる。プレミアとかでもたまに午前11時キックオフとか正午キックオフとかあるけど、おそらくそんな気持ちなんではなかろうか。
試合が終わっていつもの仲間と飲みに出歩いても、まだ夕方前。もしかしたら馴染みの店はまだ開店していないかもしれない。世間はまだ絶対活動中だが、俺はサッカーから帰って、もうマッタリモードだぜ、みたいな緩やかな一日が過ごせる。


共に今季は優勝争いに食い込みたい川崎と清水の戦いは本来好ゲームが期待されるところだが、特に川崎はここまで状態が悪い。
今季早くも6試合目、来週水曜日にはオーストリアにてメルボルンACLグループリーグ第4節を戦う川崎は既に満身創痍。Jリーグでは前節で横浜FMに0-4で大敗したが、火曜日のACLメルボルンをホームで4-0で下し、何とかチームの瓦解を食い止めた。
わかっていたが、憲剛とジュニーニョの欠場が痛い。憲剛がいないと中盤でボールを落ち着くことができずに試合をコントロールできない。
でも仮にそういう状態になったとしても、これまではジュニーニョの個人能力による一撃があった。何とか相手のエリア前でジュニーニョに前を向いてボールを持たせれば、試合をひっくり返す展開を期待できた。
二人の欠場を通して、改めて存在感の大きさを感じている。

稲本がその実力をチームに還元できていない現状を考えると、キーマンである憲剛とジュニーニョがいない中でチームを成熟させていくのはなかなか難しい。リーグとACLの併走を含めて、川崎はまだ深い森の中で彷徨っている。


清水は小野伸二の加入がこれまでチームに好循環を与えている。これまでどちらかと言えば単調的だった清水の攻撃に、リーグ屈指の配球センスを持つ小野が中盤でボールを持つことで組み立てにさらなる空間と時間の広がりを与えた。今季から川崎と同じく4-3-3を志向しているが、ここまでは結果を出してきており、チームは上手く次のステップへと向かっていると言えるだろう。しかし、清水もCB岩下、SB市川と最終ラインに故障者が出ており、守備に不安を抱える。


この日の清水の3トップは左から兵働、岡崎、藤本。ヨンセンはベンチに入った。清水は両サイドにボールを集め、起点を作る。川崎は前線からすばやいプレッシャーをかけるが、少ないボールタッチで展開し、小野は得意の中長距離のパスをサイドに散らすことで、川崎の守備網をかいくぐった。連戦が続き運動量が落ちた川崎は、前半途中から前から奪いにいく守備を諦め、一度全体を引いてエリア前に人数を揃えて守備陣形を作ってからボールを奪いにいく形に変えたが捕らえきれない。


試合を通して、主導権を握り続けたのは清水。しかし数多くの決定機をゴール正面で作るが、シュートは枠に行かなかった。また上記の通り前半途中から川崎の守備がついていけていないにもかかわらず、ゴール前に多くの人数を割けなかった。
これはこの日の3トップの組み合わせの問題でもあったと思う。両サイドにボールプレイヤーの兵働、藤本を置いたことで起点は作れたが、そこからペナルティエリア内に入りこむランの質は低かった。中央の岡崎が陣取りそこから逆サイドのプレイヤーが入り込むような動きはあまりなかった。この日はヨンセンを温存し後半途中から投入されたが、いつものようにヨンセン中央、左岡崎で組めば、違った展開があったように思う。


結果はスコアレスドロー
清水は、確実に勝ち点3を取れた試合。今季が終わったときに良い教訓となったか、はたまた痛恨となるのか。次節のアウェー横浜FM戦は、ターニングポイントだ。
川崎にとっては、耐えに耐え、また運よく手に入れた勝ち点1。5月中旬までリーグとACLの連戦が続くが、W杯の中断で再度チームを組み立て直す機会はやってくる。それまでは内容と結果の両立は求めない。
結果が全てだ。