BJプレイオフ Easternセミファイナル東京vs仙台(有明)

BJリーグはいよいよ大詰めだ。今週までに東西のカンファレンスセミファイナル。来週の土日はいよいよ有明で東西上位2チームずつによる王座決定戦のBJリーグファイナル4が開催される。


今週は東地区2位の東京と3位の仙台のカンファレンスセミファイナルを見に有明へ。セミファイナルは3戦制で2戦先取で勝ち抜け。ユニークなのは、第3戦が第2戦終了時点で1勝1敗だった場合に、15分のインターバルを置いて5分ハーフで行われること。

だから重要なのは第2戦。ここを勝てれば、そのままの勢いで第3戦を取れる。

なので、今週末は二日続けて有明へ足を運んでしまった。


対照的なチームコンセプトである東京と仙台はいつも接戦になる好カードになる東京はコービーの父親であるジョー・ブライアントが4シーズン目の指揮を執っている。ジョー・ブライアントはさすがコービーを育てた父親と言うべきか、守備に関しては複雑なチーム戦術を取らない。基本は全てマンマークNBAを除けば、NCAAも欧州も日本だって大概のチームは状況によってゾーンとマンマークを使い分けるが、これまでの東京の試合でゾーンで守っているのを見たことが無い。
たぶんであるが、教える気が無いのではないかとも思う。そんなことに時間を割くのなら、個人の能力アップに励んだほうがいい。通常、トップリーグのHCはNBAや欧州、NCAAなどの試合を見ては、自チームの戦術を洗練させていく戦術オタクになるものだけど、ジョー・ブライアントのバスケは明らかにストリートバスケを原点とした1on1を基調にしたバスケにある。個性あふれる一芸を持つプレイヤーが集まる東京にはむしろこっちの方がいいのかもしれないが。


対照的に仙台は組織の動きを基本とするチーム。外国人プレイヤーにもチームプレーを要求し、そもそも獲得時点でチームにコミットできる外国人を探している。浜口炎HCはいかにも熱血若手日本人コーチという出で立ちで、仙台はいかにも日本の部活動の良い所を集めたチームだ。ブースターの応援もすさまじく熱狂的。日本のプロチームでここまで大量の若い女性の黄色い声援が飛んでいるチームを僕は他に知らない。正直、リーグを代表する日本人スター選手が仙台にはいないにも関わらず、ここまでコアな観客層を作り上げたのは凄いと思う。

第1戦 東京 98-86 仙台

第2戦 東京 79-78 仙台


2戦を通して言えることだが、仙台は相変わらず全員がハードワークをしていて、浜口HCの腕を感じた。

しかし勝てなかったのは、勝負どころでのインサイドや攻守両方でのリバウンドがほとんど取れなかったことに尽きる。特にセンターのクリス・ホルムのポジショニングが悪すぎた。
どうしても好チームだった昨年度との比較をしてしまうのだが、派手さは無いが確実なニック・ダヴィッツやパトリック・ワーティーと比べると、外国人のレベルが明らかに落ちてしまっていた。
昨季福岡で活躍していたジョッシュ・ペッパーズを今季途中で補強したのは、ボビー・セントプルー一人だけではプレーオフの勝ち抜けは難しいことを見越してのことだったと思うけれど、最後までチームに馴染まなかった。


東京はいよいよデミオン・ベーカーが化けた。31歳の選手に対して化けたというのも変だが、これまでジョン・”ヘリコプター”・ハンフリーと青木康平のチームだった東京において、このプレーオフで一気に存在感が増した。勝負どころで全て顔を出し、シュートを決めリバウンドを取った。プレーオフではあまり出番が無かったが、岩佐潤や仲摩純平など日本人選手も着実に育っている。
ジョー・ブライアントはチーム戦術を教えられないし采配も下手だが、やはり個々の選手の能力を開花させるのは上手い。
このまま東京が良いムードで行くと来週のファイナル4は面白い存在になる。


BJのファン以外はさっぱりな内容の観戦記だと思いますが、ご容赦。
来週もこのBJリーグ観戦記続きます。