濃い週末だった。 アンヴィル、Jリーグ、元部下たちの再会と結婚

土曜日


朝から父と知人に会いに大宮へ。高速に乗っていたら、眼前で事故が起きる。2時間何もできず。

夕方、会社を辞めた女性の部下と久々に会う。今度行う彼女の結婚式の手伝いを頼まれる。それ以外にもいろいろ話す。お互いがんばろうなと言って別れる。

深夜、何とも言えないおかしなテンションになり、映画を観ようと思った。町山智浩さんが押していた『アンヴィル!夢を諦め切れない男たち』を見ようと思い、近隣に住んでいる友達のAさんと、六本木ヒルズでレイトショー鑑賞。凄かった。そして、熱かった。

アンヴィル!夢を諦め切れない男たち
http://www.uplink.co.jp/anvil/

終わったときに、会場内から拍手が起こり、僕も加わった。
冷静に考えれば、いろいろと周囲に犠牲に巻き込んだ馬鹿な奴らなんだろうけれど、社会に出ているほとんどの大人が安定や社会的な地位と引き換えに折り合いをつけて諦めてしまった夢や情熱を同じように持ち、それを30年間近く共有できる掛け替えのない仲間がいるということは、すごく羨ましいことだ。この映画は見ている観客の境遇に重ね合わせる形で、いろいろと語るべき事がある。良い映画だった。

夜遅くまで僕のわがままに付き合ってくださったAさんありがとう。


日曜日


結局、昨日会った女性の元部下の披露宴の準備とかをいろいろと手伝う羽目になり、二日続けて会うことになる。
元から俺に手伝わせるつもりだったらこんな直前に俺に投げるな、と冗談めいて詰問すると、ケラケラと笑っていた。

元部下と別れ、武蔵小杉で下車。等々力で、J1第30節川崎vs広島を見る。

なんという馬鹿試合!なんという無策な広島!と言いたくなるようなくらいに一方的な試合。

自陣深くでもショートパスでのマイボールキープを行う広島のGK、DF、MFに対して、川崎がバスケットのフルコートプレスのように猛然と前掛かりにボールを奪い取りにいく。

前線にスピードとテクニックに優れた選手を揃え、ボール奪取とともに猛然と攻撃を仕掛けるスタイルは川崎と広島はよく似ている。しかし、ゲームコントロールの幅や駆け引きでは、広島はあまりにもナイーヴすぎた。

ロングボールやクリアをしてゲームの流れを切って仕切りなおせば良いところでも無理やりつなぐ広島。それが彼らのスタイルで、軸がブレないという意味ではその通りなんだろうけれど、川崎のように同じようなスタイルで手数がはるかに多いチームを相手に、実直にひとつのやり方を貫くというのは90分の勝負事においては、馬鹿正直というか愚かではないかとすら思った。しかも、広島は一人少ないのに。

アンヴィルは馬鹿正直にでも仲間を信じて30年間貫き通したことで神様は微笑んだけれど、広島はあのサッカーを貫くことは結構だけど、サッカーは何せ90分で相手を倒し、欺く、得点を競う駆け引きのスポーツだ。軸をブレさせないことと、戦術のオプションを増やすことは相反しないことだと思うけれど。


この日、もうひとつ驚きがあった。会社の元後輩だったTがなんとフロンターレに転職していたことだ。だったら、俺にもっと早く言え!

実は昨日と今日会った女性の元部下と、このTは会社の同期だった。そして僕が会社で新卒採用の任務に就いて、初めて採用した新卒の社員だった。

Tに今度、女性の元部下が結婚するよと言うと、「話は聞いたんですけど、今の仕事だと週末に休めないんですよ」と苦笑いしてた。

人の運命とか出会いというのは不思議なものだ。
これまでしばらく会っていなかった2名と、ひょんなことで再会した週末だった。