J1 第2節 横浜FM vs 湘南 (日産ス)

横浜駅を降りて、いつものように日産スタジアムへ歩く。横浜FMというとサポーターに家族連れが多いイメージがあるのだけど、いつもよりも若い人やカップルの割合が多い気がした。
中村俊輔が8年ぶりにJリーグに戻ってきた。スタジアムには32,228名の観衆が集まった。


横浜FMは中盤の底に小椋と兵藤の二人。右のサイドハーフに俊輔を置き、左の山瀬とポジションチェンジを行いながら中盤を構成した。
俊輔はまだコンディションや周囲との連携ができていない感じ。しかし、晩年のヴェロンの如く、中盤の深い位置から左足一振りで相手守備の急所に鋭いパスを送ることができるのはさすがだ。
ヴェロンと書いたが、彼やピルロのように周囲に番犬役の潰し屋的ハードワーカーを置いて、中盤の底からゲームメイキングできるのであれば、俊輔はJリーグではあと3,4年はプレーできると思う。

この日も、兵藤と小椋という優秀な番犬を後方に従えて、俊輔は優雅にプレーをした。
文字通り俊輔が王様となってチームを組み立てないといけないし、もはや今のフットボールシーンにおいてそういう王様な選手はだんだんとメインストリームから追いやられている。でも、そういうクラシカルなサッカーは見ている分には楽しいし、いろいろと夢を与えてくれる。


シーズン前は木村和司監督の未知の手腕を含めて、今季の横浜FMには疑問符がかなり投げかけられてきたが、先週のFC東京戦と今日の湘南戦を見ると、昨年と比べて全体的に戦力が底上げされてチームにしっかりと筋肉がついてきた感じ。兵藤、小椋、千真とこれから選手としてのピークに突入する選手、田中裕介長谷川アーリアジャスールと、これから経験値を積んで、能力を開花させようとする選手といいバランスで選手が揃ってきた。
ここに木村和司中村俊輔という能力と哲学のスパイスを振り掛ければ、今季の横浜FMは良い科学反応が起こる気がする。


湘南は今日だけではこのチームの評価はまだできない。先週の山形のように残留争いのライバルとなる中位以下のチームとの直接対決を落とさないことが最優先。
次に今日のように上位に入ってくるであろうチームに対して、クローズな泥試合を仕掛けて、できるだけ引き分け以上を狙いにいければOKぐらいの計算で今季は戦ってくるだろうから、相手によってこのチームは戦い方が変わる。
今日は相手とスタジアムの祝祭空間の雰囲気に飲み込まれてしまったが、何回か見られたダイレクトプレーとサイドアタックで少ない手数でゴールに迫っていくコンセプトは悪くないように思えた。あとはできるだけ早い時期に勝利を上げてチームに自信を持たせることだろう。