J1 第11節 川崎vs大宮 (等々力)

ワールドカップが終わって間もないが、Jリーグが早くも再開。今日はACL出場組の未消化分だった第11節が行われた。

川崎は大宮に苦手意識を持っている。リトリートでスペースを埋めてくる大宮の守備にボールを絡めとられリズムを崩し、自滅というのがここ数年の対戦構図だった。
しかし、大宮は中断前に前新潟監督の鈴木淳が監督に就任。両サイドバックに杉山、村上と上下動を持ち味とした選手を置き、怪我から復活したラファエルに対してはフリーにポジションを取らせるなど、これまでの大宮のサッカーから変化を加えようとしているのが見て取れた。

ラファエルを見るのは開幕戦のC大阪戦以来だが、やはり良い選手だ。利き足は逆だが、大きなストライドや足元へのボールの持ち方はリヴァウドのようだし、それでいてアマラオのように守備には献身的で、周りの選手をうまく使える。まだ身体が若干重そうだけど、キレを取り戻したら文字通り大宮の救世主になれるだろう。
あとは、大宮にもう1枚攻め手がほしい。フィニッシャー、チャンスメーカーとして多機能なFWであるラファエルを活かせる選手が一人いれば、大宮はだいぶ見ごたえのあるチームになる。

川崎は移籍や怪我でメンバーが欠けたこと以前に、中断前までのチームの弱点がまだ改善できていないことがわかったのが、自分としてはガッカリだった。黒津と谷口の2トップの昨日も同様だったが、今季の川崎は中盤のサイドの選手に攻撃的な選手を置き、かなりポジションを上げてウイング的なポジションを取ることが多い。
攻撃では当然相手への脅威となるのだが、その反面、守勢に回ったときに中盤サイドが空くケースが増えるので、逆に相手に起点に使われてピンチを招くことが多い。
川崎がリーグの後半戦で順位を上げていくには、中断期間にそのポジションバランスの問題を解決しなければ難しいだろうと思っていた。ちょうどワールドカップで日本代表が演じたように、攻撃的なポジションであっても常に守備にも回れるような立ち回り方を各選手がしなければチームの発展は難しいだろうなと思っていたので、昨日のチームの出来は正直残念だった。

黒津に関しては、昨日のプレーに一番ショックだったのは、黒津自身だっただろう。その悔しさを胸に秘めることは大切だが、プレーには引きずらないことだ。周囲を黙らせるためにも、そして自分の壁を乗り越えるためにも結果を残すしかない。
そして川崎のためにも、落ち込んでいる時間はほとんどない。