RAGE AGAINST The MACHINE@幕張メッセ

"Evil Empire"というアルバムで初めてレイジを聞いたのは、僕は高校生の時だった。
高校生の青臭い自分にとっては、『(レイジの)ロック=闘争』というわかりやすいメッセージ性と、聞いた瞬間に脊髄反射で超かっけーと思わせるリフとザックの叫びを聞いて、レイジこそ俺の求める音楽だと毎日アンプの音量を最大にして聞いていたものだ。

天神山での第1回フジロックで大雨の中で伝説のライブをやったり、抗議活動で演奏せずに口にガムテープして、全裸でちんこ晒したまま、ステージに上がったり、ファンの心をわしづかみするも、Voのザックが今後は音楽ではなく、違うアプローチで自身の(政治)活動の目的を達成したいとして離脱。残ったメンバー3人は元SoundGardenのクリス・コーネルをボーカルに迎えAudioSlaveというバンドを立ち上げるものの、やはりザックの穴は大きく、ファンは虚脱感を感じたまま、この5年間ぐらい早くザックが政治活動から戻って、トムとかのメンバーと仲直りして再結成しないかな、と空想していたのだけれど、昨年それがいきなり実現したのだ。

レイジは日本のファンが大好きだという話は昔から何度も聞いていて、それなら日本での復活は07年のフジロックだろうと確信していたのだが、『ギャラが良いので』コーチェラ+アメリカツアーを選んだ、というのを聞いて、それはメンバーではなくてマネジメントの判断だったかもしれないけれど、ちょっとガッカリだった。なんだ、お前らも再結成したら金かよと思い、ちょっと微妙なもやもやを抱えたまま、今日まで迎えていた。

会場に行くと、客の年齢層が若干高い。自分と同じく高校や大学でレイジに目覚めた30歳前後の男女が多く、表情のどこかに果たして今日のライブは耐えられるだろうかという不安が覗く。

30分押しでライブスタート。1曲目は"Guerilla Radio"。ブロックの後方であんまり暴れない程度に楽しもうと思っていた自分だが、最初のトムのギターが鳴った瞬間、学生時代の青臭く熱かった記憶が脳味噌から毛穴まで一気に広がり、一気にテンションが沸点に上がる。
気が付くと、握りこぶしで小橋建太状態でステージ前方へジャンプしながらガンガン突き進む俺。"Testify"ではそのとき横にいた外国人と「最高だな!」と言い合いながら、体をぶつけ合っていた。

しかし、肉体は正直で5曲目あたりで酸欠状態。しばらく後退を余儀なくされる。見回すと周りの観客も若くないからやっぱり同じで、ボクシングで言うところのヒット&アウェイみたいな、前に行ったり後ろに戻ったりで忙しい。

冷静に聞くと、音響はグチャグチャで、そういえば1曲目の"Guerilla Radio"の出だしがずれてたりしていて演奏もそんなに上手くないのかもしれないが、こんなに楽しいライブは最近無かった。

最後、(お約束なんだが)メンバーがハグをして、こちらに手を振ってくれたとき、ザックが満面の笑顔だったとき、再結成は金じゃねえかと疑って、すいませんと思った。また仲良くなってよかったなぁと思った。

最近自分の中でもいろいろあった人間関係や悩みが小さなものに見えた。来週にでも自分から謝ったり、声をかけてみようかな。