Amaral Final@味の素スタジアム

アマラオ引退試合を観に味の素スタジアムへ行った。

しばらく前の話なので、知らない人もいると思うが実は僕は昔FC東京のサポーターだった。

実際はFC東京というか、前身の東京ガスJFL時代からFC東京のJ2、J1昇格1年目の頃でその頃はよく試合を見に行っていた。

その後、味の素スタジアムとかできたりいろいろあって、サポーターから離れるのだけれど、僕が好きだったのはほぼアマラオの在籍時と重なる。

東京サポの間ではやけに神格化されているので、最近のサポーターの間ではさぞかし凄いプレイヤーかと勘違いされてそうだが、実はあんまり凄くない。
たまたま今、JスポーツでChelsea vs Boltonを見ているのだが、もしこの中にアマラオが入ったらぜんぜん使えないブラジル人として、スタジアム中からブーイングを喰らいそうだ。

僕もそうだし、たぶん今日昔のユニフォームを引っ張り出して着ていた人たちもそうだと思うが、僕らがアマラオを好きなのは、そんなに上手くない仲間たちとともにひたすらピッチを走り、外国人FWなのに前線から守備をして、一応ストライカーなのにゴール前でも味方に簡単にパスを出し、どフリーのシュートを外すのに、なんでこんな難しいのを決めるんだというプレースタイルもそうだけれど、やっぱりJFLという陽のあたらない世界でも一生懸命日本のサッカーに馴染もうとして、陽気な性格とともににサッカーの喜怒哀楽と素晴らしさを身体いっぱいで伝えてくれたからだと思う。

フィジカルの衰えが目立つのに、FC東京を離れても引退を選ばずに、J2湘南、そして最後にやはりJFLアルテ高崎に行ってまで現役を続けたのは、意地だったのかもしれないし、そもそも引退なんてここ最近まで本当に頭によぎっていなかったのかもしれない。指導者なんてイメージできないしな。

とはいえ、やはり引退のときは来る。
奥原や岡島や浮氣や加賀見とプレーする姿を見て、懐かしさを覚えた。
サイドに緩いボールをはたく動きとか、クロスに対してのゴール前の頼りないジャンプとかアマラオは相変わらずらしさ全開だった。
裏街道の王様だったアマラオとは対照的に、日本プロサッカー勃興の太陽を浴び続けた盟友のラモスと抱き合ったときには思わず涙腺が緩んでしまった。

セレモニーの最後に1月に結婚した奥さん出てきたときには爆笑したけれど。

アマラオはたぶん日本サッカー界ではまったく記録に残らないだろうが
記憶に残る名選手だった。
今後も本人は何をしたいのか、またファンとしてもどのような第二の人生を送って欲しいかよくわからないけれど、プレー同様にみんなに笑顔を分け与える人生を送って欲しい。