『リミッツ・オブ・コントロール』

忙しさにかまけたのと、向こう数ヶ月でお金の出入りが多そうなので、明日の今日と音楽博覧会は見送った。Aさん、せっかく誘ってもらったのに申し訳ない!


今日もチネチッタでジム・ジャームッシュの最新作『リミッツ・オブ・コントロール』。
如何にもジャームッシュらしい様式美と虚無感を感じる映画だった。極限まで削ったセリフや演技。同じシークエンスを何度も重ねるストーリー構成。
音楽で例えるとミニマムテクノというか、ダウンテンポアンビエントミュージックを聴いているような観客に解釈を委ねているようなシンプルで抽象的な映画だった。
だからこの映画を観れば、何でアメリカ人のこの人がハリウッドの映画会社から資金を引き出せないのがよくわかる。

赤や緑の原色が効果的に使われているなと思ったら、カメラがクリストファー・ドイルだそうで、なるほどね。


工藤夕貴が突然出てくる。ストーリーがそれまでスペイン語と英語だったのに、工藤が一言だけ突然日本語をつぶやいて去っていくというのは、日本語がわからん外国の観客はともかく、日本人の観客の頭にも「なんで日本語?」とハテナが浮かんだことと思うけど、如何にもジャームッシュだと思った。